【モスクワ杉尾直哉】在ロシア日本大使館のロシア人女性職員2人が日本人職員によるセクハラ(性的嫌がらせ)被害を訴えて辞表を出した問題で、同大使館は9日、30代の警備担当職員に対し、「誤解や反発を与えかねない言動があった」として大使館幹部が口頭で注意したと発表した。セクハラ行為については「具体的に裏付ける証拠は得られなかった」と結論付け、処分しなかった。
だが、女性の1人は9日、毎日新聞の電話取材に対し、「被害があったからこそ訴えた。男性職員が一般職員なら訴えなかっただろうが、現地職員の勤務査定を行う上司だったからあえて注意を喚起したかった」と話し、大使館側の説明と食い違いを見せた。
大使館が当事者らから行った聞き取り調査によると、男性職員は、子供の看病のために職場を休んだ30代の女性職員に対し、別の職員を通じて電話で「ワインとプレゼントを持って見舞いたい」と伝えさせた。また、飲み会の席で「あなたの家に招待してほしい」と話したりした。こうした言動について、大使館は外務省本省と相談の上、セクハラと認定しなかった。
この女性は大使館受付係で、もう一人の同僚女性と連名で5月23日にモスクワの日本の報道機関にセクハラ被害を訴える文書を送っていた。いずれも5月31日付で退職した。